もしかしたら言葉は、探すものじゃないのかもしれない。
今日は、不思議なくらい空が広かった。
もちろん、
昨日と同じ空だ。
街も、
信号も、
行き交う人も、
何ひとつ変わっていない。
だから変わったのは、
たぶん私の方なんだろう。
……いや。
そうなのかな?
本当のところはわからない。
でも、
歩きながら何度も空を見上げている自分に気づいた。
前は、
歩きながらいつでも考えていた。
次は何を書こう?
どんな言葉なら届くだろう?
どうすればもっと伝わるだろう?
気づけば、
景色なんて見ていなかった。
そんな今日も、
答えなんて見つかっていない。
思い通りに書けるようになったわけでもない。
それでも、
空が青いこと。
風が少し涼しくなったこと。
道ばたに咲いていた小さな花。
そんなものが、
今日はちゃんと目に入ってきた。
昔は、
こんな毎日だった気がする。
何か特別なことがあったわけじゃない。
でも、
何でもない一日を、
ちゃんと過ごしていた。
そのことを、
今日はほんの少しだけ思い出した。
もしかしたら、言葉は、
探しに行くものじゃなくて。
こうして過ごした一日の中に、
置かれているものなのかもしれないね。
まだ分からない。
でも今日は、
世界が少しだけ新しく、そして懐かしく見えた。
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何も書かなかったのに、何かが書けた気がした日。(前回記事)
